コガタスズメバチ〈小型雀蜂〉 Vespa analis |
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体長:22〜27mm コガタと名前に付くが、実際にはそれほど小さくはなく、むしろキイロスズメバチなどより大きい。容姿がオオスズメバチに似ているので、比較され、この名前となったらしい・・・。 所説あり・・・。 性格:それほど凶暴ではなく、温厚な部類に入る。 危険度(10段階):★★★★★★★☆☆☆(LV:7) 営巣場所:住宅の軒下や、生い茂った樹木の枝など、解放された空間を好んで営巣する。そのため、住宅街で一番駆除依頼が多いのがこの種。巣に気づかずに庭木の手入れをしていて刺されたという事例が後を絶ちません。 ※危険度は当社独自の採点である為、営巣場所などの条件によっては上下いたします。 |
庭木に営巣した
コガタスズメバチの巣
【 見分け方 】
全体にオレンジと黒色が濃く、
いわゆる「スズメバチっぽい」
見た目をしている。オオスズメバチとの違いは、体の大きさの他に、頭楯の突起が3つである。
オオスズメバチは土の中などの閉鎖空間に巣を作り、コガタスズメバチは民家の軒下や樹木が生い茂った空間など解放空間に営巣する。
【 刺傷の被害 】
それほど凶暴ではないが、より人間の住居近くに営巣するケースが多いため、刺傷被害は非常に多い。垣根の中などの立木や、家の軒下などにぶらさげて巣を作る。多種と比較して巣自体はそれほど大きくはならず、個体数もやや少なめ。
椿、金木犀、柘植、ハナミズキなどの日本家屋によくある常緑の庭木は非常によく好んで営巣する。これは冬眠から覚めた女王蜂が外敵に見つからないように葉に隠れて巣作りを始められるからではないだろうかと思う。
コガタスズメバチの針 概ね4〜5mm程であることがわかる。
時期によるコガタスズメバチの巣の成長過程
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5月頃の巣 有名な?とっくり型の巣。 初期にとっくり型なのは、このコガタスズメバチだけです。 |
6月の巣 初期のとっくり型の筒状部分がなくなります。ソフトボール位の大きさ。中には数匹の成虫。 |
7月の巣 最初は下を向いていた出入り口が横に移動しています。中でどんどん増えている証拠です。 |
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8月の巣 巣の中には常時100匹〜の蜂がいます。振動を与えたりすると、出入り口からどんどん出てきます。 |
9月の巣 9月も後半になると、巣の中で新女王が100匹前後育ちます。働き蜂はこれに合わせるかのように凶暴性を増します。 |
10月の巣 巣の大きさは最大になります。 これ以上はあまり大きくなりません。 |
※画像は実際に撮影した暦のものを掲載しております。巣の成長には個体差がありますので、必ずしも上記画像のような大きさや特徴になっているとは限りません。
【 人間の暮らしとコガタスズメバチ 】
スズメバチの中で、一番人間の近くに巣を作ることが多いコガタスズメバチ。温厚ですが、庭に巣があると気づかずに刺されるケースが非常に多いです。この種に刺されてから当社へ駆除依頼される方が後を絶ちません。6〜11月頃までは、庭木の手入れをされる際に、注意が必要です。もし巣があったら当社へご依頼ください(^^;)
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左から 女王蜂、働き蜂、蛹後期、蛹初期、幼虫後期、幼虫初期、卵 |
蜂駆除屋さんより追記
飛んでいると大きく見えて、「オオスズメバチが出た」と駆除のご依頼を受けることがあります。
よくよく電話でお話をお伺いすると、この種である事が多々あります。
軒下などに営巣しているコガタスズメバチの巣はいくつ駆除してきたか数え切れません。
スズメバチの中ではおとなしいのですが、なんでも良く食べる為、住宅街でも十分に営巣することが可能なのでしょう。気づかずに巣を刺激したりすると、興奮状態がなかなか収まらずに巣からどんどん働き蜂が出てきます。注意してくださいね。
また、注意点として、この種は大人しいとあちこちのウェブサイトで書かれていますが、当然巣を揺らすなどした場合は、一斉に蜂が飛び出して刺しに来ます。また、性格が大人しいのは営巣初期の話でありまして、8月後半にもなると、新女王蜂の誕生間近になり、非常に凶暴性が増します。