蜂駆除屋さん代表の櫻庭です。2024年6月現在で駆除業界に入って１7年目、独立開業して12年目となりました。長くやっていると、他業者へのクレームや相談をお客様からお問合せいただく事があります。年に10件程度でしょうか。特に最近になって増えてきているご相談内容の実例と共に、インターネットで蜂駆除業者を探される場合の注意点などを 書いていきたいと思います。 くれぐれもこれをお読みいただいているお客様は被害にあわないよう、参考にしていただければ幸いです。

当ページの目次

・これってぼったくり？私の下へご相談いただいた実話集

・こんな内容を記載しているウェブサイトの業者に要注意！

・まとめ　信頼できるハチ駆除業者の見つけ方

 

ケース１　見積もりは作業が終わってから？ 

翌日の予定時刻にチャイムが鳴り、出てみると調査に来た男性スタッフからの挨拶と共に言われた一言がこれ⇓

「廊下の巣は取っておきましたから。他にもいくつかあったんで一緒に取っておきました。金額は7万円になります。」

Aさんは一瞬、このスタッフが言っている事が理解できなかったそうです。　HPに￥４０００〜と書いてあり、調査と見積もりを依頼したつもりが、挨拶よりも前に既に駆除されてしまった。しかも全く想像していなかった７万円という請求金額。

恐くなってしまったAさんは、取り合えずその場をおさめる為、支払いを振込みにしてとお願いしスタッフを帰らせました。

最初に電話した所へ苦情の電話を入れようと試みたAさんはこう言われました。

「当社は、お客様に業者を紹介しているだけ。契約はお客様と現地へお伺いしたスタッフ(業者)との間のものだから、当社では何ともできない」

次にAさんは請求書に書いてあった業者に連絡するものの、

「当社の正規料金であり、文句を言われるのは心外」

と取り合ってもらえません。

 

という事で、その日の晩に私にご連絡いただいた次第であります。

最終的に私は、第三者に入って貰うしか方法はないだろうという事で、消費生活センターへの相談をお勧めしました。その後Aさんの支払いがどうなったか私は分かりませんが、似たような相談がここ数年本当に多いのでお客様にはくれぐれもご注意いただきたいです。※業者名は明かせませんが、今も検索すると広告枠に出てくる業者なので、今後も被害者は続出するものと思われます。

このケースの問題点

①Aさんが連絡した業者のHP上の金額はあくまで安く見せるためのもので、実際には作業スタッフ（別会社の人間）が高額見積もりをする

②見積り金額を伝える前に作業をしてしまう（問題外です）。しかも頼んでもいない他の巣まで取り除き、その分まで驚くほどの金額で請求する。

③最初に連絡した業者は責任を一切とらない

 

ケース２　命をかけて作業しているので・・・？

今回のケースは埼玉県日高市のお客様で、実際には費用を払わずに済んだお話しです。

日高市にお住まいのBさん。ウッドデッキを大工さんに改修してもらう予定で、そのすぐそばにハチの巣を作られてしまったとの事。やはり業者をインターネット上で検索して探した所、広告枠に出て来た全国対応で￥4,000〜と謳っている業者に電話をしたそう（偶然ケース１と同じ金額で掲載してますが、別の業者です）。

女性オペレーターにつながり、状況を説明したところ「7〜8,000円ですね〜」と軽く言われたそう。この時点ですでにHPの記載と違う事に不安感を覚えながらも翌日午前中に予約をし、当日を迎えました。

当日になり、作業員から一本の電話が入りました。

「今から伺います。金額は3万円になります」

驚いたBさんは、前日にオペレーターに言われた7〜8,000円ではないのかと聞いたところ、帰ってきた返事は

「命をかけて作業してますから。その分の手当てです」

との事。完全に不信に思ったBさんは即座にキャンセルを申し出て事なきを得ました。その後私（櫻庭）にご依頼いただき、その日の午後無事に駆除完了となったのでした。

このケースの問題点

①ホームページには￥4,000〜と記載してあり、一見とても良心的な価格に見える

②そのホームページを隅々まで見ると、記載金額と離れた所に「この金額は基本料金です」と書かれており、消費者を欺くような構成になっている

③現場を良く知らないオペレーターが適当な金額を伝え、それが最終見積りと消費者を勘違いさせる

④作業スタッフの言う「命をかけて作業〜」という言葉は間違ってはいないが、それなら初めからその分を含めた金額をホームページに載せるべきではないだろうか

 

さて、次の項目はタイトルの通り「こんな内容を記載しているウェブサイトに要注意！」です。

私はハチの駆除業者なので、ハチで集客をしている業者のウェブサイトに焦点を絞らせていただきます。

 

要注意記載事項その１

全国対応という文言

これはハチの駆除業者を紹介する業者に多いです。

要は自社で施工せず、集客のみをして、お客様情報を全国各地にあるハチ駆除業者にあっせんするものです。お客様の情報を得たハチ駆除業者は自社でお客様宅へ出向き、見積もり・駆除をします。

なぜ要注意？

一番の問題は実際にお客様宅へ出向くハチ駆除業者自体に知識や技術の乏しさが目立ち、さらに「お客様のために」というホスピタリティが欠けている業者が多いという点。中には（一握りどころか一摘みくらい？）優良業者もいるかもしれませんが、本当に稀です。地元で長く続けていて、リピーター様に愛され、信用されているハチ駆除業者は、そういった紹介業者に高額なマージンを払わずともきちんと集客できているものです。

 

要注意記載事項　その２

異様に安く見える金額

これも集客特化型の業者に多いです。この業界には相場というものがありません。ですが、一件あたりの駆除費用で損益の分岐点は確実にあります（当たり前ですね）。

￥4,000〜とか、最近では￥980〜などと信じられない金額でハチ駆除やります！みたいなウェブサイトが目立ってきました。

冷静に考えてみればわかるかと思いますが、ハチの駆除スプレーをホームセンターで買うと一缶￥1,000以上します。

それ以外に巣の処分代、ガソリン代、車の保険等の維持費、通信費、事務所の賃料、事務員がいればそういった人件費、さらに役員がいればその人の分も。そして末端の作業員がお客様との契約金額から紹介料（マージン）をそのウェブサイトを管理している会社に支払います。

防護服だって何年も使い続けられるものではありません。私は２〜３年に一回買い替えが必要な程消耗します（買うと１０万円近くします）。

さて、仮に記載通りの最低金額￥4,000で請け負った場合、作業を請負った業者の手元にいくら残るでしょうか。その業者が自営業者だったとして、時給換算するといくらになるでしょうか。

超赤字です。

ボランティアどころの話ではありません。

とても暑い時期に防護服を着て熱中症になるかもしれない、蜂に刺されるかもしれない、高所から落ちるかもしれない。そんな仕事をアルバイトの時給以下の金額で生業とする人間がいると思いますか？

安く見えるウェブサイト程注意が必要です。

重要なのは、実際に見積もり及び作業するスタッフと事前に話が出来て、お客様がご納得いく見積り金額か、信頼できるスタッフであるかを確かめてから依頼する事ではないかと私は思います。

まあ根拠のない金額をサイトに掲載している時点で信用できないと私は思いますけどね(;^_^A

それでは信頼できる業者はどうやって見つけるのか

・ウェブサイトを見ていいなと思った場合、そのサイトの運営会社名で検索をかけてみる（サイト名ではなく会社概要に載っている社名）

・検索をかけるとgoogleなどでは過去に利用したユーザーの評価、クチコミを見る事ができる

・電話である程度の状況を伝えれば概算だけでも教えてくれるのが普通の業者。

言葉を濁すのは素人業者か悪徳業者

・候補をいくつかに絞り、電話で話を聞いてみる

・実際に来る業者の事務所はどこにあるのか必ず聞く。遠方からくる場合、万一再発しても対応しないケースが考えられる