チャイロスズメバチ

チャイロスズメバチの性格は狂暴性が非常に高い。人間が巣に近づくなどして興奮すると集団で襲ってきます。防護服を着ていてもまとわりついて襲ってくるため長年ハチハンターとして活動している私も恐怖心を覚えます。大きなコロニーになった後は経験の無い方は絶対に駆除をしようなどと思わないでください。経験のない方が巣を取り除くところまでしっかりやるのはかなり難しいです（業者ですら断るところがあるほどです）。また、ご自宅の隙間などから出入りしている蜂を見つけた場合は中でどれほど巣が育っているかわからないため、近づかないようにお願いいたします。

チャイロスズメバチの女王バチは、すでに営巣活動をしているキイロスズメバチやモンスズメバチの巣に単独で侵入して巣を乗っ取ります。普通外部からの侵入者がいると働きバチが攻撃をしかけ、排除しようとしますがこのチャイロスズメバチは悠々と巣に潜り込み、その巣を作った女王バチを殺してしまいます。その後はすでにできている巣に自分の卵を産み、その巣にもともといたキイロスズメバチやモンスズメバチの働きバチに自分の子を育てさせるのです。そのため一時的に一つの巣に二種類のスズメバチが同居することになります。働きバチの寿命は一か月程度なので、しばらくするとチャイロスズメバチだけのコロニーとなります。

乗っ取る巣が見つからない場合には自ら巣を作る事もあるようですが、そのような巣を私はまだ見た事がありません。

前述のようにキイロスズメバチやモンスズメバチが作った巣を乗っ取って活動をするため、必然的にそれらが好んで巣を作る閉鎖空間などが主な営巣場所となる。

自然界では木の幹に開いた洞など。人の生活圏では屋根裏や床下、壁の中など。私が駆除をしたチャイロスズメバチは三件のみですが、それぞれ屋根裏、戸袋の中、配電ボックスの中でした。一件はキイロスズメバチの巣を、他の二件はモンスズメバチの巣を乗っ取ったものでした。

狂暴性が高く、巣は屋根裏などの閉鎖空間にあるため駆除は非常に大変です。夏以降の屋根裏はとても暑く、防護服を着て入るとサウナどころではございません。

見た目（特にカラーリング）が好きなので、私は好きなほうのスズメバチになりますが、駆除現場ではなかなか出会えない希少種です。

自然界はもとより私がうかがう駆除現場においてもなかなか出会う事が無いチャイロスズメバチ

２０２４年現在７０００件を超える数の蜂の巣を駆除して参りましたが、これまでチャイロスズメバチの巣に出会ったのは３件のみ。割合にすると出会えたのはわずか0.04パーセントのみ！

希少種である事がおわかりいただけるかと思います。

次に会えるのはいつになるだろうか。